マツダ ロードスター(ND型) 制作記 1/31/24 フルスクラッチ■ROADSTER Type ND(MX-5) |
9/4にワールドプレミアされたばかりのNEW ロードスターです。 最近制作スピード遅くなりがちなので、ちょっと気合入れて名古屋オー集までの2ヶ月強の間に完成させるべく制作を開始。 ロードスターを選定したのはオープン2シーターなので部品点数が少なく、スピード重視の制作にはもってこいかと。 資料は流石に注目車なのでネットで大量に画像を入手。その中で上面図・側面図が入手できたことは非常に助かりました。 |
またプラモデル化に恵まれないマツダ車でも、このロードスターはキット化の可能性が非常に高い車種。
もたもたしていたらキットが販売され、このスクラッチモデルの存在価値がなくなってしまいます。
自分自身を追い込む意味でも題材として適していました。 で、結局11/23の名古屋オー集には間に合っていません(笑) アンベールしたことでこれから随時制作記を公開していきますのでお楽しみに! |
追加工具その1です。ベストツールの「WCS-500 5PCS.ウッドカービングセット」です。 前々からホームセンターで見かけていて、使い易そうで値段も1500円程度とお手頃だったので、買おう買おうと思っていました。 実際握り具合や切削性などの勝手も良く、ケミカルウッドを加工する際にはお勧めです。5本セットですが三角は全く使わず、小丸もほとんど使っていません。 |
追加工具その2です。MODELER'Sの「鋒華(ほうか)」シリーズ「櫻(さくら)」「椿(つばき)」「菫(すみれ)」です。 ちょっとお高く、1本1500円程度でした。大層なケース付きですが、基本出しっ放しでいちいちケースに戻さないので、刃先にキャップ程度の方が実用的ですね。 これに惹かれたのは刃先がビシッと真っ直ぐになっていることで、凹みの底を平らに加工するときなど威力を発揮すると思います。 |
準備万端、9/15よりいよいよ製作開始です! 今回の原型の材料は以前使用したこともある「ケミカルウッド壱番店」の「ラクツールSB0470」です。 今まで色々な作り方をしてきましたが、現段階でベストな制作方法はオーソドックスな「ケミカルウッドからの削り出し」だと判断しました。 自作のトースカンを使ってブロックに必要サイズをけがき、カットソーで切り出します。 |
また今回はベースを作ってネジで固定しながら制作することにしました。 F1モデルのフルスクラッチで有名な8マンさんに、以前8マンさんの制作方法を教えていただいたのですが、 こうすることで加工が進んでも基準となるベースがあるのでシンメトリーの確認等がやり易くなります。 入手した側面図を元に、まずは側面形状にブロックをカットします。 |
次に上面図形状にカットします。この段階ではまだまだ形が見えませんので、いつも「本当に出来るのか?」と不安になります。 あとは写真を見ながらひたすら削り込み、削りすぎた所はパテで補修しながら加工を進めます。 メリハリのあるデザインなので似せるのは簡単かなと思っていましたが、特にフロントは苦戦しています。 |
エクステリアの目処が立ったので、内部をくり貫く作業に移ります。 流石にインテリア部を彫刻等で掘り進むのは大変なので、ピンバイスを使って開口しました。 素材が柔らかいので手回しでも簡単に穴が開きます。ベースに固定するネジ穴部を残してざっくりと減肉完了です。 製作開始からここまで丁度10日ですが、目論見どおりケミカルウッドの削り出しは作業が早く進みます。 |
ホイールハウスを制作します。 0.5mmのプラ板を4枚を貼りあわせ、塗料瓶に巻きつけて形にします。 2mmの板を直接曲げるのではなく、薄板を重ね合わせるところがミソです。 厚板1枚で作ると元の形に戻ろうとするし、内外周で幅が変わってしまいます。 薄板を曲げた状態のまま接着剤で固めることで、その形が維持されると同時に内外周の幅の変化も最小限に抑えられるという訳です。 |
ボディはホイールハウスの部品を組み込むために大きくえぐっておきます。 ホイールハウスをベースに仮固定し、その上にポリパテを盛り付けます。 |
ポリパテが固まる前にボディを被せ、更に隙間をポリパテで埋めて硬化を待ちます。 次にホイールアーチのプレスラインを整形します。 プレスラインに沿ってマスキングテープを貼ってからペーパーで磨く、いつもの「マスキング磨き」です。 今回もほぼ全てのプレスラインをこの方法で仕上げていきます。 |
フロントグリルはプラ板とプラ丸棒を組み合わせて製作。ラジエーターはどうせ良く見えないので、複製し易いように凹凸を少なくし、汎用のエッチングパーツを貼っただけです。 |
次はドアの内張りです。プラ板を積層して作りますが、一部ポリパテも使います。 最初プラ板はベースに接着せずにテープで仮止めしておき、その間をポリパテで充填します。 |
そして各パーツを一旦バラバラにし、個別に加工することで加工がし易くなります。 加工が済んだら各パーツを接着します。 |
スピーカーグリルもいつもの製作方法です。 プラ板にラインチゼルで格子状に溝を掘り、メンソレータムを薄く塗ります。 その上に光硬化パテを盛り、硬化させたら取り外します。 |
パテの塊をカットしてスピーカーグリルの完成です。 私はシリコンでの型取りを前提としていますので、汎用のメッシュだと穴が開いているためシリコンが回り込んで正常に型取りが出来きません。 またプラ板に溝を掘っただけだと凹凸が逆になります。この方法は精度はそれなりですが、加工もし易いので中々気に入った作り方です。 |
NCのパーツを一部複製します。幌と幌の収納部です。 時間短縮のため、型取りにはブルーミックスを使用しました。 随分いい加減な型が出来ましたが、どうせ後で切った貼ったするので良しとします。 型にレジンを流し込んで複製します。 |
案の定酷い複製品ですが、NDのボディに合わせて形状を整えていきます。 また幌の収納部を基準に、サイドシルやフロアを追加していきます。 なおこれらのパーツは加工し易いように、まだボディとは接着しません。 |
シートを作ります。こちらも私の定番の製作方法です。 まずはプラ板でざっくりとシート形状の囲いを作ります。 そこへ離型剤を塗布してからポリパテを充填し、固まったらバラして素材となるポリパテの塊を作ります。 |
フィッティングを確かめながら削っていき、最後はスポンジヤスリで滑らかに仕上げます。 それらしく見せるコツは、縫製を意識して中にクッションが詰まっている感じをやや強調気味にすることです。 筋彫りも単に筋を彫るだけでなく、引っ張られてそこから曲面が始まるような感じで削るといい感じになります。 |
ダッシュボードを作ります。 ケミカルウッドのブロックを大まかに削りだし、パテで細部を仕上げていきます。 またウィンドウ枠やカウルトップ等はNCのキットから流用、改造します。 もちろんNDと同じ形状ではありませんが、合わせてみたらあまり気にならなかったので、まぁ、早く作るための妥協ですね。 |
サイドブレーキも流用しますが、一部カットしてサイズを合わせます。 シフトレバーはピアノ線とパテで製作しました。 |
センターコンソールはポリパテの塊です。 「マツダコネクト」のコントローラーもプラ板とプラ棒で製作しました。 ハンドルはまだNCのものを仮組みしただけです。流石にこれはND型用に改造します。 |
今回フロアは原型の段階でボディと一体にするつもりですが、工作し易いように途中までは分割して作業を進めます。 型を作るとき、アンダーカット形状にならないような形状にしておきます。 ウィンドウ枠は下端を少し延長して、組み立て時にボディに差し込めるようにします。 |
部分的に溶きパテを塗って小傷を消していきます。 ステアリングコラムはキットのものを使いますが、一部カットして長さを調整しました。 |
次にハンドルですが、NCのキットを改造します。 センターをすり鉢状に削り、5mmの穴を開けます。そこへリューターで先端を丸めた5mmの丸棒を差し込みます。 後はパテやプラ板で細部を仕上げていきます。 |
リアコンビランプは単純な形状ではありますが、リアパネルが深く絞り込まれて曲面になっているので、左右対称に彫るのは中々骨が折れそうです。 そこで写真のような雄型を作り、ポリパテを盛り付けたところへ押し付け、テールランプを組み込むための凹みを作りました。 このやり方だとそこそこ左右対称を出し易くなります。 |
余分なポリパテを削って全体を滑らかに仕上げます。 フロアはこの時点でボディと一体化しました。 あとマツダコネクトのモニターをプラ板で作りました。 |
エアコンのダイヤルをプラパイプとプラ棒で作り、ブルーミックス+光硬化パテで複製しました。 エアコンの吹き出し口も同じ方法で製作しています。本当はもう少し凝った形状ですが、面倒なので簡略化してしまいました。 |