マツダ 靭(SHINARI) 制作記 1/31/24 フルスクラッチ■SHINARI |
見た瞬間声がしました、「我を作れ」と。もう私には抗う術はありません(笑) と、いうことで制作開始です! アクセラの少し前、2月中旬に制作を開始しました。 ラインがとても複雑ですが幸い公開画像は多いです。 制作にあたっては特に正確なシンメトリーの再現が難しいと感じ、アクセラと似た方法で作ることにしました。 というか実はこちらが先で、アクセラはその応用です。 |
まず3mmのスチレンボードをタイル状に沢山切り出します。 それらに連番を書き込んでいき、車体の全長分両面テープで貼り合わせます。 この状態では写真のようにたわみ易く、切削加工がやり辛いです。 |
そこで1.5mmのプラ板を両面テープでL字型に貼り付け、剛性を上げると共に切削のガイドとします。 ガイドに沿ってカッターで荒削りをしますが、発泡材なのでザクザクと削れます。 荒めのペーパーも使って全体の形状を整えます。 |
反対側面もタイル状に切り出したスチレンボードで制作します。形になった左側面のボディを一旦ばらし、同じナンバーのボードに形状を反転させて写し取ります。 こうすることでシンメトリーを確保するという作戦です。 |
全てのボードの形状を写し取って切り抜きました。ついでに後で薄肉化し易いようにボードの真ん中に穴を開け、貼り合わせた時に中空になるようにします。 木ブロックを使ってボードが垂直に立つようにして全てのボードを接着していきます。 |
階段状ではありますが、いい感じで狙い通りに左右対称形状となったみたいです。 ただし最初は両面テープを使っていたせいか、その厚み分接着後は全長がずいぶん短くなってしまったため、スペーサーを追加して全長を調整しました。 |
ポリパテを盛って表面を均していきます。ウィンドウ部の幅が狭くなってしまったため、一度プラ板を貼って幅を広げましたが、 まだ狭かったため更にもう1枚貼り付けました。 |
フロントとリアの形状をパテで整えていきますが、なんて複雑な形状なのでしょう! なかなかうまく再現できません。 ここでアクセラと同時進行であった証拠写真を。進捗具合に関してこの頃は順調だと思ってました。 |
フロントのライト部を掘り込むとようやく靭らしく見えてきました。ドアパネルの膨らみ具合が気に入らずにパテで修正。 |
ボンネットにはRX-8にも通ずる意匠が施されていますが、写真のようにプラ板で製作して埋め込みました。 靭はまるっきり新しいデザインではなく、今までのマツダのデザインの系譜も盛り込まれているため、マツダらしく見えるのでしょうね。 |
ほぼ形が出来上がりましたので、一度サフを吹いて様子を見ました。フロントグリルからリアまで流れるようにラインが続いていてとてもかっこいいですね! |
溶きパテで大きな傷を埋めて磨きました。 いつの間にか左右でホイールベースが狂ってしまっていたので、ホイールベース部にポリパテを盛り、そこへグリスを塗った塗料ビンを押し付けて左右のピッチを合わせました。 |
再びサフを吹いて一次原型が完成しました。因みに原型は中空で作っていましたが、片面型のもなか式で複製することにしましたので、結局底面は開口はしませんでした。 その頃アクセラは内装に取り掛かっていました。少し差がつきましたね。 |
一次原型を型取りレジン化します。型は写真のように発泡材を使って片面取りで作ります。 シリコンの消費を極力少なくするため、できるだけ原型の形状に合わせた型枠にしました。 アクセラの時は天面を下向きにしてしまったため、シリコン内の気泡が抜けずにボディの天面が気泡だらけの型になりましたので、今度は天面を上にしました。こちちの方が普通ですね。 |
あまりにもシリコンをケチったため、天面の一部にシリコンがまわらず型に穴が開いてしまいました。 穴はガムテープで塞いでからレジンを流し込みました。レジンの流し込みはアクセラではうまくいかなかったので、今回は方法を変えました。 まず全体に薄く膜を張るように流し込んで硬化させた後、型を寝かせて側面のみに流し込みました。 |
反対側面も同様に流し込んだ後、最後に天面部に流し込みました。 レジン同士の密着性はそれほど良いわけではなく、切削すると少し剥離するような感じもしますが、それでもそこそこ薄肉・均肉にできたので後工程が少し楽になるはずです。 これでレジン化完了です。 |
ウィンドウ部をラインエンクレーバー等でくり貫きました。 裏側は薄肉になり過ぎた部分にパテを盛った後、均肉になるように全体を粗く削りました。 レジン化する時に気を配ったおかげで削る量が少なく、楽に作業できました。 |
ホイールアーチを作りますが、いつものように0.5mmのプラ板4枚を円筒物に押し付けながら接着して作りました。 |
シャシーは2mmのプラ板をベースにし、各部を適当にプラ板で作っていきました。 ベース固定用のM4ナットも組み込めるようにしておきます。 |
フロントとリアの造形は、複製後も何度も修正しました。5〜6回は大きく修正しています。
難解な形状ですので一度出来たと思っても、数日後に改めて見てみるとなんか違う気がしてくるんですよね。
それでも何とか落ち着いてきた感じです。 さて、ようやく制作記が現状に追いつきました。再開まで暫しお待ちください。 |
靭再開!いつもなら内装に移行する頃合ですが、モチベーションを戻すために外装から進めます。
まずは再びフロントを修正。微妙に面構成を柔らかくしました。完全に自己満足の世界です。
そしてシグネチャーウィングをプラ板で作成。両端はまだ仕上げていません。 再開してもたったこれだけしか進んでいませんが、マイペースで進めていきます。 |
プラ板でグリルのフレームを作ります。そしてボディにくっつかないようにメンソレータムを塗った後、ボディにポリパテを盛って隙間を埋めます。 |
グリルの中央にでかいエンブレムが鎮座していますが、デカールでは誤魔化しきれないので削り出して作ることにします。 まずはエンブレムの写真を両面テープで2mmプラ板に貼り付けます。そしてピンバイスやデザインナイフを使ってくり貫きます。 最後に面取りを施し、外周にプラペーパーを巻きつけて完成です。 |
エンブレムの土台をポリパテで作り、プラ板で作ったグリルの横桟を接着しグリルの完成です。 う〜ん、やっぱりこの車は滅茶苦茶かっこいいですね! |
少し前後に寸詰まり感があるように思えましたので、修正することにしました。 フロントとリアを写真のように切断。フロント側は2mm、リア側は3mm延長し、ホイールアーチには0.3mmのプラ板を貼って車幅も増やしました。 |
ホイールアーチには階段状に更に0.3mmのプラ板を貼り重ね、最大部で0.9mm増やしました。
その後パテを盛って整形。少し伸びやかな感じになったでしょうか。 最近出張が多かったのですが、その仕事で行った「SECURITY SHOW 2012」のSECOMブースでミニカーを頂きました。 チープなおもちゃですが、意外なところで手に入れたのでちょっと嬉しかったです(笑) |
ヘッドライト部を開口し、全体の形状も煮詰め直しました。そして次は難物のヘッドライトの製作です。 |
まずは3mmの丸棒をリューターにチャックし、先端をテーパー形状に削ります。その後2mmの穴を開け、エッチングソーを使って6箇所スリットを入れます。 またそのスリットに嵌めるパーツを0.25mmのプラ材より切り出します。 |
今度は2mm丸棒の断面にデザインナイフで放射状に筋を入れ、中央に1mmのスチールボールを埋め込みました。 ちょっと仕上がりが汚いですが、放射状に配置された微細なLED(?)を再現したつもりです。で、先ほど製作したパーツと結合します。 |
ライトガード(?)はこれまた難しい形状をしていますので、プラ板を切った貼ったしながら形状を詰めていきました。 ライトのベースとなる部分はポリパテからの削り出しです。 |
非常に凝った形状で、「魂動」シリーズの大きな特徴でもありますが、1/43ミニカーではサイズ的に完全には再現されていません。 折角の自作ですのでそれよりは上を目指して頑張りましたがもう少し調整が必要のようです。まだ片目しか手をつけていないので残りの作業を考えるとちょっと気が重いです。 |
ヘッドライトですが、仕上がりに満足出来ずに作り直しました。 前回は少し小さく迫力不足でしたので、今回は4mmのアルミパイプを加工して作りました。 放射状の溝も前回はデザインナイフで加工した後真ん中に穴を開けていましたが、今回は穴を開けた後にエッチングソーで溝を掘りました。 ライトガードも作り直してメリハリをつけ、ようやくイメージに近づけることが出来ました。 |
出来た左のヘッドライトを参考に右を制作しましたが、左右対称形状にするのにかなり手こずりました。
何度も切った貼ったを繰り返して何とかそれらしくなったのでここで妥協しました。 両目が揃っていっそう凛々しくなりました! |
なんて面倒な形のフォグランプなのでしょう。このサイズで四角錐の凹みを彫って作るのは至難の業なので、逆にピラミッド形状に作ったものをパテで反転させて作ることにします。 まずは1mmの角棒を写真のように削ってプラ板に貼り付けます。 |
次にメンソレータムを塗ってから光硬化パテを盛り、硬化させてから剥がします。それっぽい凹みができました。 後は外形を整えて完成です。とても小さい部品なので削るときにホールドし辛くて難儀しました。 凹凸は逆ですが、この方法はアクセラのホイールのセンターキャップでも使いました。工程を工夫すれば加工もずいぶん楽になります。 |
フォグランプ上のシルバーのラインは、塗装のことを考えると別部品にした方が良いのですが、あまりに細い部品になってしまうため、うまく複製する自信がありません。
よってボディと一体でモールドすることにしました。「エラ」の形状も納得できるまで何度も何度も修正です! これでフロント周りはほぼ出来上がりました。 |
最近の作品と違い、今回の作品のウィンドウは絞って作らざるをえませんので、最初に切り離した天面の部品をパテで形状を整えてヒートプレスの原型にします。 またこの部品にメンソレータムを塗り、ポリパテを盛った窓枠部へ押し付けて窓枠の形も決めにいきます。 |
プラ板から切り出したサイドウィンドウの型を使い、サイドも同じ要領で形を整えます。 全体のシルエットが固まってきました。非常にグラマラスで良いですね! |
天井のフレームの加工のガイド用に、ウィンドウをヒートプレスで製作します。0.3mmのプラ板を使用しますが、本番は0.2mmの透明塩ビ板を使いバキュームフォームで作る予定です。 0.1mmと僅かではありますがマージンを取りました。またそれほど精度のいいものも必要ないので絞り方も手を抜いていい加減です。 |
製作したガイド用のウィンドウをボディにマスキングテープで固定し、裏から1mmの角棒を接着していきます。 これがウィンドウパーツの接着代になります。 |
今度は天井のフレームをウィンドウにスケッチし、その上からマスキングテープを貼ってマスキングテープをフレーム形状にカットします。 それをプラ板に貼り付けて各パーツを切り出します。パテも使用して前方のフレームを作りました。フレーム内にルームランプとルームミラーが組み込まれますのでプラ板でそれらしく製作しました。 |
天井のフレームも同様に作りますが、何だか良く分からない形状のパーツが付きます。天井の詳細な写真はあまり持っていませんが、手持ちの資料を見るとこのような形に見えます。 出来たフレームはボディに接着しました。 |
サイドウィンドウも天井と同様に裏から1mmの角棒を貼り付けていきます。Bピラー部の窓枠は1mmのプラ板にて製作します。 |