模型屋「ブルーベルホビー」 制作記 1/21/50 フルスクラッチ■Model shop "Bluebell Hobby" |
三重県津市にある模型屋「ブルーベルホビー」さんが約8年間の営業の末、2019年の7月に閉店されました。 近郊のモデラーさんが集まる昔ながらの模型屋さんを今の時代に体現されたお店でした。 そんなお店に巡り合えたことはモデラーとしてとても幸せで、何かお礼をしたいと閉店のお話を聞いてからずっと考えていました。 |
そこでお店のミニチュアを製作してプレゼントすることにしました。
また他の常連客にも声を掛け、それぞれ自身のフィギュアを作ってそこに並べようと提案しました。
左のイラストがその完成予定図です。 まずは皆さんに元となるフィギュアをお配りしなければなりません。 100体くらい入った1/50のフィギュアを購入し、使えそうな3体をプラモデルの箱を持ったポーズに改造しました。 |
フィギュアのベースは完成後に本体のベースにスライドして取り付けられる構造としました。 複製する為にシリコンで型を作ります。 |
複製し、右の説明図と一緒に真ん中の写真の状態で皆さんにお配りしました。 |
建物本体を製作します。カーモデルはいつも写真を見ながら感性で制作していますが、建築模型でそれをすると滅茶苦茶になりそうです。 それほど詳細ではありませんが、図面を作図してから作業に取り掛かります。 もちろんのことですが、店主様には内緒で営業時間外に写真撮影、測量をさせていただきました。 |
フィギュアのベースと本体のベースの構造は写真の通りです。 プラ板をどんどんカットして組み上げていきます。 |
屋根板は0.3mmのプラ板を重ねながら再現しましたが、間隔が不均一になってしまったので後から作り直しています。 |
入り口前の石段はタイル調になっているので、ケガキ針等で再現しました。 出窓下の石積みの部分も同様です。 |
石積みの部分は実物は結構凸凹しているため、ポリパテと溶きパテでそれらしく再現しました。 |
窓を製作します。0.4mmの透明プラ板に直接窓枠を接着していきますが、傷の防止と後の塗装のマスキングを兼ねてマスキングテープを貼りながら作業を進めます。 |
建物の両端にある柱には小さな木片が沢山貼られています。等間隔になるようにプラ棒や真鍮線を間に挟みながら一枚ずつ貼り付けました。 |
建物右にある鉄扉の再現です。結構面倒な形をしています。 カール状の模様を0.14mmのプラペーパーで作ろうとしましたが巻いている最中に割れてしまい、続いて銅のテープを使ってみましたがくにゃくにゃに曲がって形になりませんでした。 ある程度コシがあって加工し易く、破れ難いということで単純に紙で作ってみたら上手くいきました。 流し込み系の接着剤で固めています。 |
コーナーの塀ですが、前方の部分とブロック積みの部分で溶きパテの塗り方を変えて質感に変化を付けてみました。 |
左奥の小屋ですが、今回建物の前方部分だけを製作するので本来ここは省略となります。 ただ模型映えするように前方に移動させ、小屋の前方の壁だけを再現することにしました。 |
建物の横壁にルーバー上の構造物があったので製作しています。 樋は0.5mmの洋白線と2.5mmのプラ半丸棒で製作しました。 |
続いて電灯を製作します。傘の部分をヒートプレスで成形し、真鍮線を結合してから光硬化パテで形を整えました。 |
出窓の中の蛍光灯です。 らせん状の蛍光灯のため、真鍮線の先をらせん状に塗装してそれらしくしてみました。 ガードは0.3mmの洋白線で作っています。 その他の小物部品も製作しました。 |
ロールカーテンです。プラ板、プラ棒、真鍮線で製作。 それぞれのドアには取っ手と鍵も追加しました。 これで建物の全部品が完成です。 |
オブジェとして製作しているため正確さや精密さはそれほど追及していませんが、適度にディティールが入りそれなりに見応えがあります。 |