凝縮の美学 名車模型のモデラーたち 展2012.2.19(日)INAXギャラリー名古屋■BEAUTY IN MINIATURE Modelers of Classic Cars and Motorcycles |
既に東京、大阪と巡回展示され、最後に名古屋にやって来ました本展示会。実は昨年末に一度見に行ったのですが、いよいよ2/23で最終ということで、再度見学に行ってきました。 やはりスクラッチ系モデラーとしては興味があります。 |
入り口から入ってまず迎えてくれるのは大スケールのフェラーリたち。 驚くことに素材は全てバルサです! こちらのテスタロッサは1/6スケールですが、ボディはもちろんのことエンジンからインテリアにいたるまで全てバルサで作られています。 |
1/5スケールの250 GTも同様にバルサにて製作されています。しかも紹介文には「製作には1年間を要した」とありますが、これをたった1年間で製作されたとは更に驚きです。 |
こちらの製作中の1/6 F40を見ると、素材がバルサであることが良く分かります。 |
タイヤの刻印まで執拗なまでにバルサです。実は年末に訪れた時に、偶然こちらの作者様とお会いし、お話を伺うことが出来ました。 材料は単に安くて加工しやすいから選んだとおっしゃっていましたが恐れ入りました。 |
1/24 ベントレー 4 1/2 LMはセミスクラッチ。エンジンとシャシーの一部以外は全てフルスクラッチだそうです。エンジンも作り込まれています。 |
続いて1/24 ベントレー 4 1/2 バーキン。こちらもエンジンとシャシーの一部以外は全てフルスクラッチだそうです。 右はジャガー SS100で、整ったグリルと美しい仕上げが特に際立っていました。 |
1/24 ブガッティ T59と、1/24 ベントレー 4 1/2 ブルックランズです。エンジンカバーのヒンジも大変なことになっています。 右の4台は、1/43のブガッティ T53、フェラーリ 250 GTO、ベントレー 6 1/2 スピード・シックス、そして1/76.2のデニス F12。小スケール作品もすごく作り込まれています。 |
1/15 ブガッティ T37Aと、製作中の1/15 ベントレー 6 1/2のシャシーです。 なんかエンジンの形が特徴的ですね。ベントレーは、数百本のボルト・ナットの全てが手作りという、信じ難い加工がされています。 |
1/15 ブガッティ T35Bです。ブガッティは大人気ですね。ボディ側面の蝶ねじの一つ一つまで作り込まれています。 |
1/15のモーガン スリー・ホイーラー。これが初フルスクラッチ作品とのこと! (しかも今の私と同じ年だ...) シートは恐らく実際に皮を使用されていると思いますが素晴らしい質感です。 |
スポークホイールを製作するための治具です。気の遠くなるような作業が必要です。 となりは1/24のジャガー XK150S クーペ。オープンカーのキットをクーペに改造していますが、ボディを改造した以外はほぼ自作パーツです。 |
各パーツの質感表現も素晴らしいです。 |
1/9 ドゥカティ 851とブラフ シューペリア SS100です。ドゥカティはカウルレスの未塗装状態で完成としてます。工芸品のような風情があります。 |
フェンダーは銅板を焼鈍し、叩いて形にしたそうです。その他にも正確な加工をするための多数の治具。 皆さん共通で、急がば回れ。手間を全く惜しんでいません! |
アリステア・ブルックマン氏の1/12 フェラーリ F500 F2。ボディはアルミで製作され、着脱も可能。カウル内のディティールや素材感など、素晴らしい仕上がりです。 |
ジュラルド A.ウィングローブ氏の1/15 イスパノ・スイザ。ボディ表面にはなんと厚さ0.4mmの梨の木が張り込まれています! 更に無数にある点々ですが、これは0.2mmのピンを約1万三千本打ち込んだ後に研磨して仕上げられたものです! もう芸術品以外の何物でもありません。 彼にはエリザベス女王よりSirの称号が与えられており、正に次元が違います。 |
1/12 ポルシェ 356A スピードスターのボディは銅板からの叩き出しですが、非常に滑らかで美しいです。シートも実際に革張りで作っていますが、
なんと中のフレームやウレタンまで実車同様に作っているそうです! 1/12 ジャガー Dタイプ ショートノーズも同じく銅板で作られており、塗装済品と未塗装品が並べて展示されていました。 |
1/24 アルピーヌ A220Bの製作の様子です。ポリパテやらシリコン・レジンなどを使用しています。 このあたりは少し一般のモデラーと近い製作方法なので何だか安心しました(笑) 右は透明パーツのヒートプレス用の型です。 |
左から全て1/24のフルスクラッチ品です。 ・JW ガルフ ミラージュ M3 フォード ・フォード P68 ・フォード P69 |
1/24のフェラーリ 512S モデューロ。1970年にジュネーブのモーターショーで発表されたコンセプトカーだそうです。 カウル(キャノピー?)の開け方が何か戦闘機っぽいです。 ボディは1mmのABS板を真空成型して製作されています。1mm厚でもこんなに綺麗に整形できるのですね。 |
1/43のホンダ S800。ボディはレジンでプレス型を作り、真鍮板を万力を使ってプレスしています! 以上、造形技術のひとつの頂点を見た感じでしたが、あくまでひとつの方向性の頂点であると思います。 模型の楽しみ方は色々ありますので、刺激を受けつつも自分なりの楽しみ方で切磋琢磨していきたいと思います。 まぁ、真似したくても出来はしませんが(笑) |